ナカニシ社の歯科医療器具はNSKブランドの名で世界シェアナンバーワン、世界14ヵ国に拠点をもち130か国以上の国々に輸出され、世界一の品質を誇っています。RD1の敷地であるナカニシ・サニーキャンパスは、日光連山や深岩山、大芦川の美しい自然に懐かれた立地にあります。四季折々に豊かな表情を見せる鹿沼の景観との新たな調和をめざし、世界最先端の研究開発に資する環境と空間の創出を試みました。
建物の中心を占める4層吹抜けのアトリウム「センターコート」の螺線形スロープが全フロアをシームレスに繋ぎ、社員の多様なコミュニケーションを促します。スロープには15カ所に直径2メートルの耐火ガラス製ラウンドウインドウが設置され、ラボラトリー、研究ゾーン、開発ゾーン、NSKミュージアムなどで展開されるRD1の様々なシーンを間近に見ることが出来ます。
センターコートの空間の形は生命の成長過程に見られる対数螺旋をモチーフにして、ナカニシ社のスローガンである「美しい進歩と創造」を想起させる上昇感を演出、そして世界最高水準の超高速回転技術をシンボライズしています。屋上のサニーテラスには世界各地から訪れるお客様のおもてなしのための“離れ”サニーラウンジがあり、空を切り取るようにカーブする軽快な庇の彼方には、深岩山や大芦川流域の雄大なパノラマが広がります。
外壁は特注アルミ押出成形材によるΣ(シグマ)と呼ぶ環境制御パネルで覆われ、構造躯体を保護しています。Σパネル内には外断熱層や自然換気装置などが設置され、建物内外の環境を制御し、快適な内部環境を守っています。また、自由曲線断面を持つΣパネルのウェーブが柔らかな陰影を生み出し、時刻や天候あるいは季節によって様々な光の表情を映し出します。